凡人の風評 言いたい放題

 

 ヒ素だの青酸だのと全く下劣で、しかも不特定多数の恨みも辛みもない人々を陥れるという凶暴な事件が相次いでいる。いったい日本はどうなってしまったのだろう。人の命の重みを考えることが出来ない頭がカラッポの連中と共存しているわけで全く他人事ではない。そしてこのような事件が今後も減ることはなく、必ず増加していくだろうとしか考えられない世の中である。

 こういう事件をみていていつも思うのだが、被害者の人権より犯人の人権が守られている点が何とも解せない。事件の始まりが全て、犯人が逮捕された以降の問題になってしまっている。まるで”もう死んでしまった者はどうしようもない”と言わんばかりである。人権を侵害された被害者の命は無視され後は犯人の人権を守るように世の中が動いているとしか思えないのも変な話だ。

 明治時代に創られた憲法を尊重するという基本的な考えがあるのだろう。しかし明治時代の常識が今の日本では通用しなくなっており、現代に全くそぐわない法律もたくさんあることは事実である。最近の子供の中には”俺が人を殺したって大した罪にはなんないよ!”なんてことを平気で言う馬鹿者がいるのだそうだ。私は少年法なんてものはいらないと思う。

 小学生であれ何であれ全て大人と同じ法律で罰せられるべきだと思う。やった者がしっかり責任をとるべきである。また日本特有の”くさい物にはふた”の精神で犯人逮捕、裁判が終われば一件落着という具合に全てが終わらされてしまい、根本的な問題は解決されないまま先送りという具合である。何故こんな事件が頻発する世の中になってしまったのかを考えていかないのである。

 子供のしつけは、もちろん親が責任を持たなければならない。しかしろくなしつけをされていなかった親が、子供にしつけが出来るわけがない。(実は私も自信がないが・・・)。あまりにも常識から外れているからと学校の先生が少しきつめに”しつけ”をすると、なんでうちの子にそんなことを言うなどとクレームをつけるのも大概はろくなしつけをされなかった親達である。

 一方、教育にも大いに問題がある。もっと余裕を持たせるべきで小学校のうちから塾通いでまるで外で友達と遊ぶ暇がない。ファミコンではなく真っ黒くなって友達と命を落とさない程度の怪我をしながら痛い経験をして自然の中で遊ぶべきである。へたな大人よりもずっと忙しい生活を送っている子供たちが可哀想である。そうやって試験の点数をたくさん取る技術だけ身に付けた連中が、トーダイかなんかに入って受験勉強で疲れ果ててろくに勉強もしないで社会に出て日本を動かしているわけで、周りからはエリートなどと呼ばれてたいそういい気分になっているのだろう。人間性など難しいものは一切問われないで点数さえたくさん取れば、楽に偉くなれる社会の方がそういう人達にとっては楽なのである。後は自分たちの利権だけを守り、失敗してもおとがめなし、最後は”天下り”で仕事もしないで(仕事をしたとしても前の権限を利用した悪事が多い)高い給料をせびり取る人生で良いと思っている。だから変わり様がない。

 大体”天下り”という言葉自体が気にくわない。公務員から民間企業へいくことのどこが”下り”なのか私には理解できない。世の中にとって良い面は何一つない利権の絡んだ”天下り”という行動自体、法律で厳禁にしてあたりまえ!言葉自体をも抹消すべきである。

 少なくとも組織の合理性を考えると民間企業の方が遙かに無駄が少なく質が高い。どうしても”天”を使いたいのならば”正確には”天上り”である。

 国民の税金を割り振る仕事をまるで自分の金のように錯覚して扱っている。これらの問題は一般庶民が立ち上がらなければ解決しない。選挙の投票率が50%にも達しないことがほとんどであるが、彼らは国民が政治に対して無関心でいてくれた方が自分たちが好きなようにやれる、責任は政治家に取らせればいいとしか思っていないのである。彼らの”思う壺”である。

 選挙に参加しない国民も悪い。国民が全てを許しているのである。日本人は悪いことをしても(それも税金で)追求するのではなく、無視をするのである。民間では背任罪でクビになって当たり前の事が、彼らは屁みたいな減給で済ましているのである。しかし何故か日本国民は勝手にやったらと無視をするのである。彼らにとっては最高の国民である。

 話は変わるが、難しい算数なんてやらなくてもいいから、人に迷惑をかけないで生きて行く方法をじっくりと子供たちに考えさせる必要があるのではないだろうか。小さい時から実際に起こった事件を取り上げ、死んでしまった人はその後どうなるか、被害者の家族はどういう悲しみを被ったか、罪を犯した人の人生はその後どうなったか、その家族の生活はどうなったか。この事件は何が悪くて、どこでどうすれば防ぎ得たかを大いに考えさせるべきである。道徳などという一般論ではなく、実際に起こった事例で考えさせるべきである。人に迷惑をかけないで生きることに関しては、子供のうちからマインドコントロールをかけるべきである。親が出来ないのだから学校でやるしかない。今のうちに何とかしておかなければお先真っ暗の日本である。

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